現在、住宅の床はフローリングが一般的ですよね。心地よいフラットな木材でインテリア性が高く、様々な生活スタイルに合うので人気です。
しかし、フローリングは、掃除がしやすい一方で、汚れや傷が目立ちやすく、ほこりが舞いやすいといったデメリットもあります。
日々の掃除は、何となく掃除機をかけるだけ、なんて方も多いかもしれませんが、特にお子さんがいらっしゃる家庭などでは、素足で歩いたり寝転んだり、色々な物をこぼしたり…という事も多いので、出来ればこまめに適切な掃除を行いたいものですよね。
ここでは、毎日の掃除と、一年に一度行った方が良い大掃除のやり方をご紹介します。
コツをつかんでピカピカな床を保ちましょう!

1.床の汚れの原因は?

汚れの種類を知って掃除をするのと知らずに掃除するのとでは、仕上がりは大違いです。なので、床の汚れの種類と、それぞれに合った掃除方法をまとめてご紹介します。

・皮脂汚れ

フローリングを裸足で歩くときに、ペタペタとはり付くような不快感を覚えたことはありませんか?この原因は「皮脂汚れ」です。
この皮脂汚れはそのまま放っておくと、ほこりなどを吸着して、フローリングが黒ずんだり、曇ったり、ワックスの剥離にもつながってしまい、フローリングが白っぽく変色してしまう場合もあります。とくに夏場は裸足になることも多く、気温が高いので汗をかきやすく、皮脂によるフローリングの汚れが増えてしまいます。

基本的には固く絞った雑巾で水拭きをすれば良いのですが、水拭きをしてもペタペタが取れない場合、きれいにするのにおすすめなのが「中性洗剤」です。中性洗剤には、油分を分解する作用があるので、皮脂汚れを落としやすいほか、床を傷めずに掃除できるので、安心してお掃除に使うことができます。
「除菌作用」のある中性洗剤や、「香りつき」の中性洗剤も多いので、好みのものを見つけてこまめにお掃除すると良いでしょう。

《中性洗剤を使ったお掃除方法》
1.まずは掃除機やフローリングワイパーを使い床のゴミを取る。
2.バケツ1杯の水に中性洗剤を1~2滴程度入れて洗剤液を作る。
3.2の洗剤液で湿らせた雑巾を固く絞り水拭きする。

汚れが気になった時以外にも定期的に行う習慣をつけておくと、頑固汚れにならず、日々のお手入れも楽になりますよ。

なお、無垢材のフローリングの場合は乾拭きを基本とし、汚れが目立ってきた時のみ、固く絞った雑巾で水拭きをするのが良いでしょう。

・食べこぼし

お子さんのいらっしゃる家庭ではとくに、食べこぼしが多く散らばると思います。
食パンのカスのような、乾いている物なら掃除機をかけるか、フロアワイパーで集めて捨てれば大丈夫です。しかし、べた付くお米などの場合は、ちょっと面倒ですが、雑巾等で水拭きをするか、ウェットタイプのシートを取り付けたフロアワイパーを使うといいでしょう。
ですが、すでにこびりついてしまった汚れなどの場合は、食卓用清掃スプレーを使いましょう。 まず、雑巾やいらないタオルにスプレーしてフローリングの汚れている部分を拭きます。洗剤を汚れに直接吹きかけるのは、頑固過ぎる汚れの場合にしましょう。

しかし、最近人気のナチュラル洗剤である重曹やセスキ炭酸ソーダは、使い方によっては、ワックスや色がはげてしまう場合があるので注意が必要です。また、クエン酸や米のとぎ汁などもカビの原因になったり、フローリングが白くなったりすることがあるので気をつけましょう。

・油汚れ

キッチン付近のフローリングには油が飛び散り、黒く変色する事があります。料理をする際に飛び散らないよう注意をしても、残念ながら全く油汚れが付着しないようにするのは難しいものです。さらに、床に付着した油を踏んだ足で歩くことで家中に油汚れが付着し、黒ずみ汚れが広がることも少なくありません。

この油汚れも、皮脂汚れと同じく中性洗剤で落とすことができます。掃除方法も同様ですので上記を参考にまとめて落とすことができます。

・カビ

キッチンなどの水まわりや掃き出し窓付近など、湿気の多い場所のフローリングには湿気が原因でカビが発生することがあります。
生えたばかりの小さなカビの場合、水ぶきか、上記と同じく中性洗剤で落とすことが可能です。
また、その後も生やしにくくするには消毒用エタノールを使用するのが有効です。
消毒用エタノールは薬局やネットなどで手軽に購入できます。作り方は、消毒用エタノールと水を8:2の割合でスプレーボトルなどの中に入れて混ぜるだけ。
中性洗剤で目に見えるカビを落とした後、目に見えないカビを殺菌するためにエタノール液を吹きかけ、きれいな雑巾で磨いてください。
なお、行う際は必ずマスクとゴム手袋を着用し、換気をしてください。長時間行うと気分が悪くなる場合がありますので、注意が必要です。

《間違ったカビの取り方》
・掃除機で吸う
吸引したカビは掃除機の排気口から外部に飛散してしまうので危険です。カビの繁殖を手助けしている状態になってしまうので、絶対にやめましょう。
・お風呂やキッチン用のカビ取り洗剤を使用する
これらのカビ取り洗剤は強力すぎてフローリングの色が変わってしまう可能性があるので、これもNGです。
・重曹やお酢を使った掃除
お風呂のカビ取りには効果的な重曹ですが、フローリングに使用すると研磨作用によってワックスが剥げてしまったり、床の色まで変わってしまったりすることもあるので避けてください。
また、カビ取りに使用されるお酢も、食用酢では栄養がありすぎて逆に白カビの原因になってしまうこともあるのでやめましょう。

2.毎日の床の掃除方法は?

・フロアワイパー

まずは乾いたフロアワイパーでほこりやゴミを取り除きます。
いきなり掃除機をかけてしまうと、ほこりが舞い上がりかえって部屋を汚してしまう可能性もありますし、また、最初に水拭きをしてしまうと、汚れやゴミをフローリングに貼り付けてしまうので、汚れを取れにくくしてしまう恐れがあります。

お掃除の時間帯は朝がおすすめ。 活動時間に舞い上がっているほこりが夜中には床に落ちてくるので、活動する前の朝一番に取り除くのが効果的です。

フロアワイパーのかけ方は、奥から手前へ、自分のところにほこりやゴミを集めるよう感じで後退していき、最終的に1カ所に集まったほこりやゴミを掃除機で吸い取ります。

家具と家具の間のような狭い隙間などの掃除機が入りづらいところは、家具を少し移動するなどして、この時にゴミを取り除いておくのがベストです。

・掃除機がけ

フロアワイパーでは取りきれないフローリングの溝などにたまったゴミを吸い取るために掃除機をかけます。必ずフロアワイパーをかけた後に掃除機をかけてくださいね。
ホコリを舞い上げるのを防ぐ以外にも、あらかじめゴミを少なくしておくことで、掃除機を引きずる回数が減ってフローリングを傷つける可能性が低くなります。

掃除機のかけ方は、フロアワイパーがけで残ったゴミをしっかり吸い取るつもりで 、溝の目地に沿ってかけ、壁際の隅のゴミが残りやすいあたりも細口ノズルなども活用して丁寧にかけます。

・ぞうきんがけ

基本は乾拭きでOKです。
水拭きはあまりやりすぎると床材を痛めてしまったり、かえって水跡が汚く見えてしまったりするので、2週間に1回程度、掃除機をかけた後に霧吹きなどで吹いた水を、乾いたぞうきんで拭くのがおすすめです。
フローリングは長時間濡れたまま放置すると、変色、そり、ひび割れが起こってくる場合があります。また、表面が濡れたままだと滑りやすく危険なので、水を使用した際は速やかに拭き取ってください。

3.大掃除で床をピカピカにしよう!

・ワックスがけ

ワックスをかけると、フローリングに薄い樹脂の膜が張るため、傷や汚れが付きにくくなります。フローリングを長くきれいに保つために、1年に1回、大掃除の時などにワックスがけをしましょう。
ワックスをかけるのは、天気が良くて湿度の低い日が最適です。また、半日以上の時間がかかるので、午前中早い時間から取り掛かるのがベターです。

《掃除方法》
足の皮脂が床に付くのを避けるために靴下を履き、髪の毛落下防止のため髪を結ぶか帽子を被る。

1.フローリング掃除
まずはフローリングの掃除です。フロアワイパー→掃除機→雑巾で水拭き→乾拭きをして完全に乾かします。
ゴミなどが残っていると、ワックスでゴミまで一緒にコーティングしてしまうので、出来る限りゴミを残さないようにしてください。

2.ワックスがけ
掃除が終わったら、ワックスをかけていきます。ワックスを塗った後は、乾くまで歩くことができなくなるため、部屋の奥から手前に下がるように塗ってくださいね。しっかり乾いたら、二度塗りをしましょう。仕上がりがきれいになりワックスのもちも良くなりますよ!

・不用品を片付けて、床に物をおかない

せっかくきれいにした床を長持ちさせるには、日々のお手入れが欠かせません。
不要な物が散らかっていることでむやみに傷つけたりしないよう、しっかり片付けをしてなるべく床に物を置かないようにしましょう。

4.まとめ

今回は、床の汚れの原因と、掃除方法についてご紹介してきました。
きれいな状態を保つためには、やはり日頃の正しいお手入れがとても大切です。毎日少しずつでも習慣化できるように心掛けていくと、床の劣化を防ぐだけでなく、生活環境を良くすることにも繋がっていきます。

いつも清潔できれいな床で、気持ちが良く過ごせると良いですよね。