最近の住宅はフローリングのお部屋が多いですが、1室和室があるというお宅も少なくはないと思います。マンションの場合、リビングの隣に和室がある間取りも多いですよね。
畳は香りや歩き心地が良いので、心が癒されます。

ごろんと直接寝転がりたい場所なので、いつでも清潔にしておきたいのに、実は畳の掃除の仕方がよくわからないという方も多いのではないでしょうか?

畳は掃除の仕方によっては傷んでしまう可能性があるので、正しい方法で掃除をすることが必須です。今回は、正しい畳の掃除の仕方や、様々な汚れの落とし方、カビ・ダニ対策などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.普段の畳の掃除方法とは?

・実は掃除機よりもほうきが効果的!?

実は、畳を掃除する場合、掃除機よりもほうきの方が効率良くお掃除出来るのでオススメです。

畳には細かい目やくぼみ、隙間があるため、掃除機だと奥に詰まったほこりやゴミまで吸い取り切れないことがあるからです。一方ほうきは、掻き出す力に長けているので、隙間にたまったほこりやゴミまで取り除きやすくなります。

ほうきで掃く場合は、目に沿って小刻みに動かします。隙間からほこりやゴミを掻き出すイメージで行ってください。畳の目に逆らって掃いてしまうと、ゴミが取れないだけではなく、畳が傷んでしまいますので注意していください。
正しいほうき掃除を週一目安で行えば、畳をきれいな状態に保てますますよ。

また、ほうきは、作られている素材によってしなり具合が違います。畳の掃除にはしなり具合が強いほうきがオススメです。
素材としては、ほうき草・棕櫚(しゅろ)という種類のものが一押しです。穂の先が細く繊細になっているため、畳の目など細かい部分のほこりやゴミを掻き出すのに非常に適しています。棕櫚のほうきは畳だけでなく、カーペットのゴミなども綺麗に掻き出すことができますし、フローリングで使用した場合にも、傷つけることもありませんし、音もしないので快適に掃除をすることができます。しかも艶出し効果もあるようなので、畳だけでなく様々なところで活躍します。

・掃除機をかけるなら優しく丁寧に

しかし、最近では室内用のほうきを準備していないというお宅も多いですよね。もちろん掃除機でもコツさえ知っていれば掃除はできるので、参考にしてみてください。

畳に掃除機をかける場合も、基本的にはほうきと同じで、畳の目に沿ってかけましょう。繊維に沿わずに適当に掃除機をかけてしまうと畳を痛めてしまいます。畳はひと部屋の中でも、目が縦になったり横になったりしているので、目に沿って掃除機をかけるのは少々面倒かもしれませんが、そこを面倒くさがらずに、出来るだけ優しく丁寧にかけていきましょう。畳の汚れはほとんどがホコリや髪の毛なので、力を入れなくても大丈夫です。
また、畳のふちは最後に掃除しましょう。ふち部分は布の様な素材で出来ていて、段差で少し高くなっていることが多いので、掃除機が強くぶつかると破れてしまうことがあります。まずは畳の草の部分を目にそって掃除した後、仕上げとしてヘッドを外したノズルで、ふちをなぞる様にかけてあげると良いですよ。

また、最近の掃除機は、カーペットやフローリングを掃除することを前提に作られているものがほとんどですので、そのまま畳をかけると痛めてしまう可能性があります。例えば、ゴミを吸引するヘッド部分に、ホコリを叩き出すための回転ブラシがついているタイプの掃除機がありますが、このような掃除機の場合はそのまま使うと危険です。ブラシが回転しないモードにしてから畳を掃除しましょう。ブラシの回転を止めることの出来ない掃除機の場合は、弱モードで掃除してください。

掃除機は、ゆっくりかけることでゴミをよりよく吸い取ります。畳だけに限らずフローリングやカーペットの場合でも、ササーっと何往復もさせるのではなく、一か所一か所をなるべくゆっくりと往復させてかけましょう。

そして、最近増えてきたロボット掃除機についてですが、実はロボット掃除機は畳の掃除にはオススメ出来ません。畳の目に沿って掃除してくれる畳モードのような機能があればいいのですが、ロボット掃除機のランダムな動きは、畳を傷めてしまう可能性もありますので注意してください。

2.とりきれない汚れには?

・クエン酸で拭き取る

畳に食べ物や飲み物をこぼしてしまった時など、特にひどい汚れの場合はクエン酸を使って掃除します。

まず、こぼしてから時間が経っていないのであれば、まずはすぐにティッシュやタオルで拭き取ります。この時に軽く叩きながら拭くと、畳が水分を吸い込みにくくなるため、シミになるのを防ぐことが出来ます。
続いて、水を張ったバケツの中に、小さじ一杯程度のクエン酸を入れてよく混ぜます。こうして作ったクエン酸水で雑巾を濡らし固く絞ってください。そして、こぼした箇所を目に沿って丁寧に拭きましょう。最後に、乾いた雑巾や古布等で、しあげ拭きをして、しっかりと乾燥させます。

クエン酸には汚れを落とす力もあり、畳が変色する心配もありません。そして、ダニやカビ予防の効果も期待できるので、畳の掃除に最適と言えます。

ただし、まだ新しく青さが残っている様な畳に使用すると、色褪せた様に変色してしまう可能性があるので、その場合はクエン酸を使用した掃除は控えてください。

・畳をたてかけてカビ、ダニ予防を

畳にカビが生える一番の原因は湿気です。カビは湿度70%、気温25度以上になると発生しやすくなります。そして、それのカビ食べようとしてダニが繁殖していきます。

現代の住宅は、気密性が高く造られています。昔の様に隙間風などに悩まされることなく快適に過ごせるは素晴らしいことですが、空気がこもりやすいという面もあります。

カビや、それに付随するダニ防止の為にも、畳を干すのも大切なお手入れのひとつです。可能であれば春と秋の年2回、よく晴れた日中に畳を干したいものです。

まずは先端のとがったもの(マイナスドライバーが2本あると便利です)で、中央にある畳から持ち上げて、取り外します。
取り外した畳は、どこにあった畳か分からなくなると大変です。後で入れ間違いのないよう、どこにどの向きで敷いてあったものか分かるように印をつけておくのがオススメです。
そして、干すときは、畳表を直接日光に当てないよう気をつけて下さい。直射日光は畳の表面を傷めてしまう可能性があります。畳床(裏側)を日光に向け、よくほこりを叩き出してから、4~5時間ほど干してください。

もし、畳を干す場所がない場合は、床から畳を浮かして、空き缶等をはさみ、風を通すだけでも効果的ですよ。

3.畳に注意が必要なことは?

・湿気に弱いので、よく絞った雑巾を使う

畳は湿気(水)を嫌います。畳を雑巾がけしたいときは、基本的には「乾拭き」です。
乾拭きをすすめる理由は、ゴシゴシと水拭きをしてしまうと、畳の傷や変色を防止するためのコーティングがはがれてしまい、畳が傷みやすくなるとされているからです。特に新しい畳は必ず乾拭きにします。また、水を含んだ状態はカビ発生の大きな原因になります。
そのため、古くなった畳等を、どうしても水拭きしたい場合は、しっかり固く絞った雑巾を使ってください。しかし、どんなにしっかり絞ったつもりでも、案外水分が残ってしまうので、水で絞った雑巾を、乾いた雑巾で挟んで使用するのも手です。よく絞った雑巾を別の雑巾で包むようにするか、一枚の雑巾の端から3分の1ほどを湿らせて、濡れていない部分で包むなどすると良いでしょう。

水が多く残った雑巾で畳の掃除をするのはNGです。

そして、水を少しでも使ったお掃除をする場合は、出来るだけ天気が良く湿度の低い日を選んで掃除をしましょう。

・畳掃除には重曹は使わない

万能ナチュラル洗剤として知られる重曹。
ご存知の通り、重曹は様々な場所に使えて拭き取りのみで良いという、とても便利な洗剤ですので、家庭に常備している方も多いと思います。

しかし、畳の掃除には使用してはいけません。
その理由は、畳に使われている「い草」の繊維が変色を起こすからです。重曹に含まれるアルカリ成分が、畳の繊維を傷めて黄ばんでしまう可能性があるのです。さらに、重曹の濃度によっては黒ずみとなる場合があります。

誤って重曹を使って黄ばみや黒ずみがついてしまうと、それを元通りのきれいな状態に戻すことは出来ません。

畳と同じ自然由来の重曹、様々な汚れを落とせて便利ですが、畳や生木の掃除には向いていないことを覚えておいてくださいね。

正しい掃除方法をおさえて、畳をキレイに保ちましょう!

4.まとめ

畳の掃除の仕方は、ポイントさえおさえればシンプルです。気を使わなければならない部分はありますが、決して困難な事ではありません。
ほこりっぽい室内は、気分的にも健康にも良くないので、定期的なお掃除を心がけてください。
畳の最大の天敵である湿気を追い出すべく、天気のいい日に外に出し、ほこりを落としましょう。

さらりとした心地よい肌触り、踏みしめたときの程よい弾力性、癒される香りなど、フローリングとは違った魅力をいくつも持っている畳。正しい方法できちんとお手入れして、思わず寝ころびたくなるような、気持ちの良い和室を維持したいですね!