毎日、疲れた体を癒すお風呂場は、清潔で綺麗に保ちたい場所です。ですが、気づくと水垢や石鹸カス、カビなどの汚れがちらほらと出てきてしまいます。汚れが溜まってからでは、掃除は大変です。お風呂がなぜ汚れるのか、汚れの種類を知って、汚れに合わせた洗剤を使ってぜひ掃除してみてください。きっと、今までよりも簡単に掃除をすることができるはずです!  

1.毎日溜まる、お風呂場の汚れの正体は?

・カビ

浴室で特に目立つ、頑固なカビは黒カビと呼ばれるものです。黒カビは、浴室の床・壁・浴室ドアや洗面器などに多く見られます。一度カビが生えるとなかなか落ちない頑固さが特徴です。室温20~30度、湿度80%前後で爆発的に繁殖します。お風呂場はいつも湿度が高く、皮脂汚れや雑菌も多いのでカビにとっては好都合の場所となってしまいます。
カビは『菌糸』という植物の根のようなものを延ばして繁殖していきます。特にパッキンなど柔らかいものには、カビが置くまで根を張りやすくなります。そのため、目に見える表面をこすっても効果がないのです。また、カビですので胞子を飛ばしてどんどん繁殖していきます。壁や床を掃除しても、実は天井にもカビの胞子は潜んでいます。忘れがちですが、天井のカビも綺麗に掃除しましょう。天井はなかなか手が届きづらい場所ですので、手軽なものですと、防カビ用の燻煙材があります。  

・ピンクぬめり

赤カビとも呼ばれますが、カビでなく、赤い酵母であるロドトルラという酵母の一種です。このピンクぬめりは、浴室の床・壁・洗面器などに多く見られますが、繁殖のスピードはとても速いです。無臭でピンク色、少しぬるぬるした感じが特徴です。少しこするとすぐに落ちるように見えますが、実は目に見えない菌がまだ残っています。そのため、掃除をしたつもりでも、またすぐに発生しています。
ピンクぬめり自体は何か悪さをすることはありません。見た目が悪いですが、人体に悪影響を与えたり材質を傷めたりするようなことは特にありません。ですが、ピンクぬめりがある場所には、頑固なカビが発生しやすい傾向があります。カビは、このピンクぬめりをエサにして繁殖しているからです。ですので、ピンクぬめりは気づいたら早いうちに対処することが大切です。 

・皮脂汚れ

いくら掃除をしていても、気づかないうちに少しずつ浴槽のヘリや床が黒ずんできてしまいます。これらは体から出る『皮脂』が溜まってしまったものです。この皮脂汚れと、水道水の成分や雑菌が一緒になって浴槽の汚れとして溜まっていきます。家族が多いと、皮脂汚れも多くなります。ですが、毎日シャンプーをしたり体を洗ったりする場所なので、汚れ自体をなくすことはできません。こまめな掃除が汚れを悪化させない唯一の方法ですので、汚れを蓄積しないようにしましょう。 

・水垢、湯垢

水垢は、蛇口周りや鏡などに付く白い汚れです。水垢が付く理由は、水道水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分が水分が蒸発する際に、空気中の酸素や二酸化炭素などと結びついて白い塊のような汚れとなって残ってしまうことによります。中でもやっかいなのが、鏡の成分と同じ成分を持つケイ素です。水道水のケイ素が鏡についてしまうと、水垢となって結合し落ちにくい性質があります。
湯垢は、皮脂、石鹸カス、ホコリなどが結びついたぬるぬるした汚れです。ついてすぐなら水洗いで軽くこする程度で落ちます。  

2.汚れに合った洗剤を使おう!

・浴槽や壁掃除は中性洗剤

中性洗剤は、皮脂汚れや水垢、黒カビなど、お風呂場の軽い汚れにオールマイティーに使うことができます。浴槽だけでなく、風呂場の床や壁、排水溝などにも使えるので、日頃のお風呂場掃除に一つは持っておくと便利な洗剤です。最近では、洗剤を吹きかけてこすらずに放置するタイプのものも売られていて、簡単にお風呂掃除をすることができます。人気のある中性洗剤は、『バスマジックリン』です。こちらは除菌成分も含まれているため、掃除以外にも排水溝など水が溜まるところにマジックリンをかけて、5分ほど放置することで雑菌の繁殖も防いでくれます。

・蛇口周りやプラスチックは酸性洗剤

お風呂場は、どうしても頑固な水垢や湯垢がこびりついてしまう場所です。そんな時には、酸性洗剤が活躍してくれます。気になる水垢汚れに、酸性洗剤をかけてしばらく放置した後に歯ブラシなどでこすります。これで大体の水垢汚れは落ちるでしょう。ただ、酸性洗剤は、材質を傷めたり、皮膚トラブルを起こしてしまう可能性があります。洗剤を使う前に材質を確認し、手袋やマスク、換気を徹底して使いましょう。また、他の洗剤と混ぜてしまうと有毒ガスが発生してしまう恐れがあるので、注意しましょう。

・パッキンやタイルのカビは塩素系洗剤

お風呂の床の隅や排水溝のドロドロ、パッキンやタイルの黒カビには塩素系洗剤が効果的です。雑菌が繁殖してできる汚れなので、塩素系洗剤を使えば手で触ることなく綺麗に落とすことがきできます。黒カビなどの汚れに、塩素系洗剤をかけて数分置いて十分にしみ込ませます。その後、シャワーなどでよく洗い流すと、カビやヌメリなども洗い流されて綺麗になります。タイルなどの壁は、スプレータイプの洗剤ですと流れ落ちてしまって思ったような効果が得られないので、ティッシュやサランラップを使ってパックのようにすると、洗剤が流れ落ちずに十分に洗剤を浸透させることができます。塩素系洗剤も、酸性洗剤と同じく、手肌に付くと荒れてしまう可能性があるので、必ずゴム手袋やマスクをして換気をしながら使用しましょう。また、他の洗剤と混ぜてしまうと有毒ガスが発生する可能性がありますので注意が必要です。 

3.環境にも人にも優しい、エコな洗剤とは?

・クエン酸

クエン酸は、酸性の物質で、柑橘類や梅干しに多く含まれる有機化合物です。浴室によくつく汚れの水垢はアルカリ性なので、酸性のクエン酸はとても効果的と言えます。市販の強力な洗剤とは違い、体にお環境にも優しい成分で出来ているので、日々のお掃除にも安心して使えます。
お風呂掃除の使い方としては、クエン酸水が便利でしょう。水200ml+クエン酸小さじ1をスプレーボトルに入れるだけで完成です。お風呂の壁や床の黒ずみなどに、シュッとスプレーしてスポンジなどでこすれば軽い汚れはすぐに落とせます。これで落ちない場合は、たっぷりクエン酸水をスプレーした後にラップでパックをして放置した後に、軽くこすればみるみるうちに綺麗になっていきます。

・重曹

重曹は、もともと人体にある物質で『炭酸水素ナトリウム』や『ベーキングパウダー』とも呼ばれています。料理や入浴剤などにも利用されているほど、身近なものです。安くて安全性も高く、重曹自体は泡立たないので洗い流す際に水をたくさん必要としないため、広い範囲のお風呂掃除に向いています。皮脂汚れなどの酸性の汚れに、アルカリ性である重曹が効果的です。
重曹3;水1で、重曹ペーストを作ります。それを、汚れている箇所に塗り30分ほど放置し、スポンジなどで軽くこすりましょう。その後、シャワーで軽く流すと綺麗になります。また、排水溝などの汚れには、重曹+クエン酸の合わせ技がおススメです。この二つを混ざると二酸化炭素が発生して泡立ちます。発泡することで、汚れを浮き上がらせることができます。

4.まとめ

いかがでしたか?面倒だなあと思うお風呂掃除も、毎日のバスタイムにほんのひと手間加えることで、キレイを維持して、結果的に掃除の回数も減ります。
掃除をしてもなかなか綺麗にならない・・という方は、ぜひ汚れに合わせた洗剤と掃除方法を実践してみてください。また、最近は体や環境にも優しいエコな洗剤もたくさん出ています。日々の疲れを取ってくれるお風呂。だからこそ、キレイを保ち気持ちよくお風呂に入りましょう!