1.重曹で家中ピカピカに!?重曹の特徴は?
・重曹とは?
ふくらし粉やコンニャクの凝固剤、胃薬の成分として昔から重宝されてきた重曹。近年はナチュラルクリーニングの主役としてマスコミにも取り上げられ、How to本も数多く出版されています。スーパーなどで比較的簡単に手に入るので、愛用している方も多いのではないでしょうか。ところでこの重曹、使い道は多いのですが「万能」ではありません。うまく使うためにはちょっとした知識も必要です。「汚れが落ちない。ふつうの洗剤のほうがいい」
「重曹でこすったら鍋が変な色になった!」
「消臭剤になるって聞いたのに、ニオイが取れない…」もしもこんな経験があるのなら… それは重曹があまり得意でない分野のことを試したか、コツを外して使ってしまったのかもしれません。重曹は、その性質をよく飲み込んで使いさえすればとても優秀な働きをしてくれます。特徴をしっかり確認して、その能力を最大限に引き出して有効的に使いましょう。
・掃除で必要な重曹の特徴は?
- 水溶液はpH8.2(2%、20℃)のごく弱いアルカリ性を示します
- 人体に無害な物質で、食品添加物(ふくらし粉など)や医薬品(胃薬など)として古くから利用されてきました
- 粒子が細かく、水に溶けにくい性質
- 加熱すると分解して炭酸ガスを発生する
- 常温では安定しており、長期保存が可能です
2.掃除で必要な重曹の作用は?
・重曹によく効く汚れ
「油脂をある程度乳化することができる」 「タンパク質をある程度分解することができる」。これが洗浄剤としてのアルカリ剤が得意なことです。
- 粒子が細かく水に溶けにくいため、クレンザー(磨き粉)として使えます。食用グレードのものは歯磨き粉にも。
- 酸性物質の臭いを中和して消します。冷蔵庫や生ゴミ、靴箱や排水溝の脱臭に。
- 入浴剤に。重曹を溶かした重曹湯は、血管を拡張し血行を促進する働きがあります。
- ふくらし粉としてお料理に(食用グレードの製品に限る)
- 鍋のコゲ落としに。重曹と水を鍋に入れて熱すると二酸化炭素の泡が発生。その力でコゲを浮かせることができます。
・重曹に向かない汚れ
- キッチンのギトギト油汚れを溶かす力もかなり弱めです(全く使えない、ということではありません)
- 白くてカチカチの水垢汚れも苦手です。この類の汚れには酸の方がよく効きます。
- トイレのアンモニア臭など、アルカリ性の臭いは消せません。重曹もアルカリ性なので、中和できないからです。
- 洗濯には不向きです。
3.重曹を使って掃除してみよう
・キッチンのお掃除
皿洗いに
きつい油汚れなどはボロ布やスクレイパーであらかじめ拭っておきます。そのあと、重曹をパラパラと振りかけてこすり洗いします。
コゲ落としに
コゲついた鍋やフライパンに水を張り、重曹を小さじ2くらい入れて沸騰させます。そのあと火を止めて数時間放置するとコゲが浮き上がってきます。それでも残るガンコなコゲ跡は、再度重曹を振り掛けてタワシなどでこすってみましょう。
ただし、アルミ製の器具はアルカリで黒ずむのでこの方法はおすすめしません。
ガスレンジ周りやレンジフードの油汚れに(やや柔らかめの油汚れ向き)
重曹を振りかけて油としばらく馴染ませておき、そのあとこすると重曹が油を取り込んでポロポロと剥がれてきます。これをぼろ布や硬い紙でこそげ取ります。重曹を油に馴染ませるとき、あまり水を使わないのがコツ。ただし、固くこびり付いて樹脂のようになったガンコな油汚れは、炭酸ソーダやセスキ炭酸ソーダ水溶液で溶かすほうが簡単です。
クレンザー代わりに
鍋やシンク磨きに。コーヒー、紅茶のシミ、茶シブ、タバコのヤニなどにも重曹をこすり付けて磨くとよく落ちます。
銀食器やカトラリーのくもりに
銀の食器やカトラリーがくもってきたら、重曹でクリーニングできます。細かな部分までくもりが取れて輝きがよみがえります。アルミ箔を平たいパッドや鍋(アルミ鍋除く)に敷き詰め、そこに沸騰した湯1リットルを注いで重曹大さじ3を溶かします。重曹入りの湯の中に銀製品を浸して一晩放置し、翌朝取り出してやわらかい布で磨いてみましょう。 銀のアクセサリーがくもった時にも応用できます。ただし、真珠や宝石が組み合わさっているアイテムにはこの方法を使わないでください。
臭い消し
魚や肉の生臭さが残ったまな板は、重曹を振りかけてタワシで洗うとすっきりします。手に残った魚や肉の臭いも重曹で洗うと消えます。
魚焼きグリルに
魚を焼くときは下のトレイに水を入れますが、そこに水の代わりに重曹を敷き詰めておきます。臭いが軽くなり、洗うときはその重曹で洗えます。トレイに敷いた重曹は2~3回使い回せますが、1度使ったらその重曹で洗うようにするほうが衛生的です。
・お風呂のお掃除
さて、重曹風呂で美肌効果や酸性系の体臭改善効果があることが分かりましたが、重曹風呂に入浴後のお風呂掃除が楽になっていることにも注目です。浴槽に付いた皮脂などの油汚れは、重曹の効果で洗い流すことができます。
さらに重曹風呂の活用方法として、浴槽にたっぷり溜まった重曹水に、バケツや洗面器、お風呂用のイス、子供のおもちゃなど、水垢などの汚れが気になるものをつけ置き洗いすることができます。一晩もつけておけば充分でしょう。一晩つけたものは、水で洗い流すだけでピッカピカ。重曹風呂の残り湯にはまだまだ使い道があります。しつこい皮脂汚れが気になる衣類を洗うのにも効果的。なかなか取れない体臭が染みついた衣類も、重曹水で洗えばスッキリ消臭してくれます。しかし、重曹はあくまで弱アルカリ性のため、酷い汚れを完全に落とすことは難しいです。しつこい汚れはプロのクリーニングにおまかせすると良いでしょう。
・洗濯槽のお掃除
そもそも、重曹で掃除は可能なのでしょうか?結論から言うと、可能です。むしろ、洗濯機の掃除用洗剤などよりも役立つときもあります。ここでは洗濯機の掃除に重曹が効果的な理由をお伝えします。
1. 汚れを分解する作用がある
みなさんご存知の通り、重曹は炭酸水素ナトリウムの略称で、お掃除で大活躍するあの白い粉です。石鹸と同じ弱アルカリ性でできていて、酸を中和したり汚れを分解する作用を持っています。
2. 人体に害がない
石鹸と同じ成分でできているこの重曹ですが、洗剤に比べて人体への害が少ないと言われています。お肌が荒れてしまった方や、小さいお子様がいる方にとっては重曹を使うことで、安心してお掃除に使うことができます。
3.消臭効果
重曹には汚れや酸を落とすだけでなく、消臭効果も持っています。洗濯機で特に気になるのが臭い。洗剤を使って掃除をしても、洗剤の塩素系の臭いが苦手な方は少なくないはず。そんなときには重曹を使えば、洗剤の臭いを残すことなく洗濯機の消臭ができます。
4.日常的に利用できる
洗濯機の掃除、正直面倒に感じてそのままにしている方は多いと思います。そんな方にもおすすめなのが重曹。重曹は普段キッチンや窓掃除など様々なところで活躍します。一家に1つ置いておくようにすれば、わざわざスーパーに洗剤を買いにいかなくても、いつでも洗濯機の掃除ができます。
4.まとめ