お風呂の壁の掃除をしてみよう!拭くだけじゃないプロの技教えます。

お風呂掃除といえば、まず浴槽!と思っている人が多いはず。しかし、目にはあまりつかないけれど意外と汚れているのがお風呂の壁なんです。浴槽はごしごしと念入りに洗うのに、お風呂の壁のお掃除はささっと拭いたり、お湯を流したりするだけで済ませてはいませんか?今回は普段あまり注目されないお風呂の壁のお掃除方法についてお話したいと思います!

お風呂の壁の掃除をする前に!

・お風呂はなぜ汚れるの?

お風呂は人の体の汚れを落とす場所ですから、外から持ち込んだホコリや砂などのゴミ、皮脂や垢などの老廃物がお湯に混ざって周囲に飛び散っていることが。また、密閉された空間で湿気がこもりやすく、程よい温度も加わってカビや雑菌が繁殖しやすい環境でもあります。さらに流しきれなかった石鹸カスやシャンプー、リンスなどの成分が細かいところに溜まっています。それなのに浴槽ばかり磨いて壁までを掃除する頻度が少ないので、汚れが溜まりやすくなってしまうのです。

・どんな汚れがついているの?

お風呂には以下のような汚れがついています。
〇人の垢や皮脂汚れ
〇石鹸カス
〇水垢
〇カビ
〇サビ
ぱっと見ただけでは綺麗に見えて気づかないこともあるかもしれませんが、実はお風呂の壁の下の方や、お風呂場の隅をよく見てみれば黒やピンクのカビが生えていたり、白く水垢が残っていたりして結構汚れていることが多いんです。

お風呂の壁を掃除するための洗剤と道具

・洗剤を知るためには汚れを知ろう

汚れには酸性の汚れとアルカリ性の汚れがあります。その性質と反対の性質の洗剤を使い、中和するときれいに落とすことができます。またお風呂にはカビなどの菌類の汚れもあります。お風呂で見られる代表的な汚れの性質を挙げてみましょう。
①垢や皮脂汚れ
床や壁にみられる黒ずみは、人の体から出た皮脂が蓄積したもの。皮脂は酸性の汚れなので、アルカリ性の洗剤を使うときれいに落とすことができます。
②お風呂場にみられる白い粉末状の汚れは、石鹸カス汚れです。石鹸カスは石鹸や皮脂などと水道水に含まれる金属成分が反応してできます。軽いものは中性洗剤で落とすことができます。こびりついたも石鹸カスはアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤で落としましょう。
③水垢
蛇口や壁面の鏡などについているうろこ状の汚れは水垢です。水垢は水道水が蒸発して、中に含まれていたカルシウムやケイ酸が残るためにできる汚れです。カルシウムによる水垢はアルカリ性の汚れのため、酸性の洗剤で落とすことができます。
④カビ
壁面タイルの目地にできる黒ずみやピンク色の汚れはカビです。石鹸カスや皮脂汚れはカビの栄養分になり、放っておくと大量に発生してしまうことも。ピンク色のカビは中性洗剤で簡単に落とすことができますが、黒いカビは頑固に根を張っています。黒カビは酸性の性質なので、カビ取り用のアルカリ性洗剤で落とします。
⑤サビ
お風呂場は大変湿度の高い場所です。シャンプーや石鹸を置く金属のラックや、ヘアピンなどの金属をお風呂場に置いておくとサビてしまい、そのサビが壁や床に移ってしまうこともあるでしょう。それはもらいサビという汚れです。サビは酸性の汚れなので、アルカリ性の洗剤を使うかクレンザーのような研磨剤でこすって落とす必要があります。

・洗剤の種類を知ろう

〇中性洗剤
水と油を混ざりやすくする界面活性剤の効果で汚れを落とす中性洗剤はお風呂の浴槽や壁、床など全ての場所を掃除できます。洗浄力は緩やかで、軽い汚れならほとんど落とすことができます。浴槽や床の素材を傷めることもほぼありません。
〇酸性洗剤
お風呂壁面の鏡や蛇口についた白いうろこ状の水垢汚れを溶かして落とします。最近多いのが天然成分であるクエン酸を使用したもの。人にも環境にも優しいので人気です。
〇アルカリ性洗剤
皮脂や垢で黒ずんだ酸性の汚れを落とします。毎日のお風呂掃除にはクエン酸と同じで、天然成分からできている重曹を使うのもおススメです。
〇塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は、次亜塩素酸ナトリウムを主成分としたアルカリ性の洗剤です。カビによる黒ずみを落としてくれます。タイルの目地に根を張った頑固な黒カビにも効果的。直接皮膚に触れると炎症を起こすことがあるので、使用時にはゴム手袋を着用しましょう。また、塩素系漂白剤には必ず「混ぜるな危険」と書かれています。酸素系の洗剤やクエン酸と混ぜると有毒なガスが発生しますので取り扱いには十分注意しましょう。
〇研磨剤
サビなどの頑固なこびりつき汚れは研磨剤の細かい粒子でこすって落とします。こすりすぎると素材を傷め、傷が付いたりツヤを失ったりすることもあるので加減しながら使いましょう。
・道具ってどんなものがあるの?
お風呂掃除に使う道具はほぼ100均で揃えることができます。
〇スポンジ
お風呂掃除には欠かせない道具です。水だけで汚れを落とせるものや、片面ずつ素材が違って様々な場所を掃除できるものなど、自分の用途に合ったものを選びましょう。吊るせるような紐がついているものだと衛生的に保管することができるのでおススメ。
〇ブラシ
狭い隙間の汚れやタイルの目地の汚れをこすって落とします。長い柄付きの物は手の届かない高いところを掃除するのに便利ですね。スポンジブラシといってスポンジに細かくて短いブラシ状の毛がついたものはスポンジだけでは綺麗にならない目地を掃除するのに適しています。
〇水切りワイパー
お風呂掃除をした後、ワイパーを使ってしっかりと水切りをするとカビの発生を防ぐことができます。
〇鏡用スポンジ
浴室の鏡や蛇口についたうろこ状の汚れをきれいに落としてくれます。
〇マスク・ゴム手袋
塩素系漂白剤などの効果の強い洗剤が肌に触れたり、ホコリやカビが体内に入ったりするのを防いでくれます。お掃除の際は必須ですね。

お風呂の壁を掃除したあとは、どうしたら綺麗を保てるの?

・綺麗になったらどうしたらいい?

お風呂の壁の汚れを落として綺麗にしたら、次は再び汚れがつかないようにすることが大切です。お風呂掃除をした後に防カビ用の燻煙剤をたいておくと、カビの発生を防ぐことができます。掃除用具はお風呂場にあるタオルラックや浴室乾燥の棒にS字フックやクリップで引っ掛けておくと水が切れて衛生的ですし、燻煙剤をたくときに一緒に抗菌コーティングもできます。
また、お風呂に棚がある場合はその棚にシャンプー類を置き、床や壁に直接つかないようにするとぬめりやカビを防げます。時々物をどけて棚もきれいに掃除しておきましょう。

・毎日の積み重ねが大事!

清潔で綺麗なお風呂を保つにはまず、こまめにお掃除をすること。でもお風呂の壁って浴槽の掃除とは違って水が跳ねて足元や服が濡れるし、毎日は面倒くさい・・・と思うこともあるでしょう。それならばお風呂に入るついでに目地ををブラシでこすったり、鏡をスポンジで磨いたりして毎日違う場所を少しずつお掃除をするのがおススメです。カビは高温に弱いので、お風呂から出る前に壁に熱いシャワー(42℃~50℃)をかけてから出るだけでも壁に飛んだ皮脂汚れや隅に流れた石鹸カスを洗い流せますし、カビも生えにくくなります。
さらに、お風呂に入った後は必ず換気扇を回すようにしましょう。お風呂場は湿気がこもりやすいので、カビが発生しやすいところ。換気を万全にしておいて、常に乾いた状態を保つようにしましょう。

まとめ

お風呂は体の汚れを落とす場所ですし、リラックスできる場所でもあります。毎日使うのですから、自分の体と同じようにお風呂場の隅々まで清潔にしたいものですよね。特にお風呂の壁はシャワーや石鹸の泡が飛んで汚れやすいのにあまり気づかない場所です。毎日少しずつ掃除をするだけでいつも綺麗な状態を保つことができるので、浴槽だけではなくお風呂の壁もお掃除をして、より清潔でリラックスできる空間にしましょう。