毎日の疲れをとるお風呂。そんなお風呂は毎日ピカピカで綺麗にしておきたいものです。浴槽や床の掃除はするけれど、壁のお掃除をしていない!という方も多いのでは!?
お風呂の壁はシャワーがかかりやすく、気づかないうちにシャンプーや石鹸などがとびちり意外と汚れいるのです。なぜよごれているのか?その対処法をご紹介しますので、ぜひ今夜から実践してみてください。

1.意外と汚れている!?お風呂の壁の汚れの種類は?

・水垢

そもそも、水垢はただの水道水です。透明な水がなぜこんな白い汚れになるなんてと思うかもしれませんが、水道水にはカルシウムやマグネシウムといったミネラル分が含まれていて、これらが水垢の原因となってしまいます。壁に水道水がはねた後、水道水は蒸発してもミネラル分は残るため、毎日毎日これが繰り返されることでどんどん積み重なっていき、白いうろこ状の水垢になってしまいます。水垢は、気づいた頃には、地層のように積み重なって、石のような固い汚れになってしまい、スポンジなどで軽くこすっただけでは落とすことができません。

・石鹸カス

石鹸カスには二種類に分けられます。

『金属石鹸』石鹸カスは、水道水に含まれているカルシウムやマグネシウムと、石鹸の脂肪酸が結合してできたものです。この石鹸カスはアルカリ性の特性を持っています。一般的に多くの人がイメージする石鹸カスはこの金属石鹸です。お風呂場の床に白くて硬い付着しているものがこれに当たります。

『酸性石鹸』金属石鹸は、水道水のミネラル分と石鹸が結合したものに対して、皮脂汚れと石鹸が結合してできた石鹸カスです。こちらは名前の通り酸性の特性を持っています。黒や灰色でベタベタした汚れです。

どちらの石鹸カスとも、石鹸とは言えしっかりとこびりついている汚れのため、シャワーで流したり軽くこすっただけでは落ちません。石鹸カスを放置していると、カビや雑菌の温床になるのでとても不衛生となってしまいます。

・カビ

カビは、汚れではなくて「菌」の一種です。放っておくとどんどん繁殖をしてカビが広がっていってしまいます。カビには、活発になる条件が4つあります。

①温度 20~30度
②湿度 65%以上
③栄養となる、皮脂や水垢などの雑菌
④カビが活性化するための酸素

これらは、常に条件が揃っている風呂場はカビの絶好の繁殖地となってしまいます。逆に言うと、この条件をいくつか取り除くことでカビの繁殖を抑えることができると言えます。

・ピンクぬめり

排水溝周り、床、シャンプーボトルの下など、水回りにはすぐに発生してしまうピンクぬめり。カビ?と思う方も多いでしょうが、この正体は「ロドトルラ」とよぼれる酵母菌の一種です。このピンクぬめりは、カビよりも繁殖スピードが速く、また洗剤にも強いため、掃除をしてもまたすぐに発生してしまいます。ちょっとこするとすぐに落ちたように見えますが、実は目に見えない菌が残っています。そのために、掃除したつもりでもまたすぐに発生してしまいます。水分と石鹸カスがあれば、すぐに発生してしまうので注意が必要です。また、このピンクぬめりを放っておくと、黒カビが生えやすくなるので要注意です。

2.お風呂の壁の掃除に使う道具や洗剤は?

・日頃のお掃除

壁には、シャンプーや石鹸が飛び散りやすいものです。この石鹸カスを残してしまうと、頑固な汚れやカビの原因となってしまいます。できれば、毎日風呂から出るときに壁にサッとシャワーで水を流すと良いでしょう。それでも溜まったしまう軽い汚れにはお風呂用中性洗剤が効果的です。汚れのひどい所にキッチンペーパーを付けて、上から中性洗剤を吹き付けます。10~20分放置してキッチンペーパーをはがし、スポンジこすります。最後に洗剤成分をシャワーでしっかり流して水気をふき取りましょう。これで落ちなかった汚れは、酸性洗剤もしくはアルカリ性の洗剤が必要になります。汚れに合わせて洗剤を使い分けて掃除をしましょう。

・白い汚れ「水垢」のお掃除

水垢汚れはアルカリ性の性質を持っているので、反対の酸性の洗剤を使うことで汚れを中和してふやかすことができます。一般的な落とし方は、クエン酸を使った方法です。
①クエン酸水(水200ml+クエン酸小さじ1)をスプレーボトルに入れ、汚れに吹きかけキッチンペーパーでラップする。
②1時間ほど放置して、汚れがふやけるのを待つ。
③貼っていたキッチンペーパーかスポンジを使って、汚れをこすり落とす。

クエン酸水で落ちなかった水垢は、プラスチック製のポイントカードなどを使って削り落とすことができます。また、クレンザーをスポンジにつけ、円を描くようにして泡立てないでゆっくりとこすると、研磨効果が高まります。必ず最後にシャワーで綺麗に洗い流してください。

・壁にできた「カビ」のお掃除

根を張ってしまったカビや、時間が経った頑固なカビには、効果の高い塩素系のカビ取り剤が効果的です。塩素系洗剤は効果が高い分ん、取り扱いに注意が必要です。手肌や目にかからないように、手袋や眼鏡を使い、必ず換気をしながら掃除をしましょう。また、酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生してしまいますので、注意書きを読んでから使用することをおススメします。

①水分をふき取ってから洗剤をかける
水分が残った状態でカビ取り剤をかけると水で薄まってしまうので、カビ取り剤をかける際は、お風呂場が完全に乾いた状態のときにカビ取りをしましょう。

②洗剤をカビに密着させる
カビ菌は、酸素がある環境では活性化してしまうため、掃除をするときにはできるだけ酸素に触れさせないようにしましょう。カビ取り剤がしみ込んだキッチンペーパーでパックをしたり、蒸発を防ぐためにサランラップでぴったりと覆ってしまうと効果がよりでます。

③時間をおいて薬液を浸透させる
カビ菌を完全に死滅させるために、十分に薬液を浸け置きして殺菌成分を浸透させる必要があります。すぐにブラシでこすったり水で流してしまわないように注意しましょう。

3.お風呂の壁の汚れを防ぐには?

・ワイパーで水気を切る

お風呂場の湿気を、できるだけ溜めないようにすることで雑菌やカビの繁殖をぐっと減らすことができます。
そこで、浴室乾燥を使うことはもちろんですが、風呂上りや掃除の後に、自分で簡単に水滴をとることを習慣化してみましょう。スクイージーと呼ばれる、ゴム製のワイパーで、平らな面の水分を取り除くために使われる道具を使うと簡単に水滴を取ることができます。。お風呂場用スクイージーは、お風呂に入った後、床やバスタブ、壁などに残った水分を取り除くことができます。材質を傷めないために、必ずお風呂場用のスクイージーを使用するようにしてください。

・シャワーで菌の発生を抑える

カビには、黒カビや白カビ、赤カビなど様々な種類がありますが、その多くは熱に弱いため、熱湯をかければしっかりと退治することができます。ただ、一部には耐熱性の高いカビも存在しますが、浴室内の換気をよくして乾燥させることで、発生しにくくすることができます。
熱湯と一言で言っても、100度のお湯は必要ありません。ほとんどのカビのたんぱく質は60度の熱湯を5秒以上かけることで死滅します。毎日、風呂上りにさっとお風呂場を掃除した後に、カビの生えている部分に60度のシャワーをかけます。5秒前後熱湯シャワーをかけ、ブラシでカビをかきだした後、また熱湯シャワーを5秒かけます。タイルの目地に生えたカビはこれだけで綺麗に落とせます。

4.まとめ

汚れが目立たないように見えて、壁は意外と汚れています。お風呂の壁掃除は、毎日のちょっとした努力で、汚れを溜めないことで綺麗を保つことができます。洗剤を汚れに合わせて使い分けたり、便利グッズもたくさんありますので、さらに効率よく掃除してみましょう。