お風呂は毎日家族みんなが使う場所です。もちろんお掃除は毎日するけれど、浴槽は念入りに洗うのに排水溝はつい後回しにしてしまうという人もいるでしょう。お風呂の排水溝って髪の毛などのゴミが溜まっていたり、石鹸やシャンプーのぬめりが付いていたりしてできればあんまり触りたくない場所ですよね。しかし排水溝の汚れを放置しておくと、色々と支障が出て気持ちよくお風呂に入れなくなることも・・・。お風呂は一日の汚れを落とし、リラックスできる場所です。そんな快適なお風呂を守るためにも、今回はお風呂掃除で意外と大事な排水溝のお掃除についてお話します!
お風呂掃除のポイントは排水溝
・臭いの元は排水溝
浴室のドアを開けるとなんだか嫌な臭いがする、ということはありませんか?毎日掃除をしているのに嫌な臭いがするのは、実は排水溝が原因である場合が多いのです。排水溝が悪臭を放つのには3つの原因が考えられますので、ひとつずつ説明していきましょう。
①ヘアキャッチャーにゴミが溜まっている
お風呂の排水溝のカバーを開けると、髪の毛やゴミを受け止めてそのまま排水管に流れていかないようにするヘアキャッチャーと呼ばれる部品があります。このヘアキャッチャーに髪の毛や石鹸カスが溜まり、腐敗や雑菌が繁殖して悪臭を放つというのが悪臭の原因のひとつ。ヘアキャッチャーには髪の毛が絡みやすく、そこに汚れが溜まりやすいので毎日こまめに捨てるか、市販されている髪の毛を受け止めるシールなどを付けておくときれいに保つことができます。
②排水トラップの汚れ・異常
排水溝といえばすぐに目に入るヘアキャッチャーまでしかお掃除をしないという人も多いかもしれませんが、実はその下に原因が隠れていることも。お風呂場だけではなく洗面所やキッチンも同じで、ほとんどの排水溝には「排水トラップ」と呼ばれるフィルターのようなものがついています。お風呂ではヘアキャッチャーを取り除くと排水トラップが見えます。排水トラップには封水と呼ばれる一定量の水が溜まっていて、排水管の中の汚水から出る悪臭が逆流しないように空気をせき止める働きをしているのですが、この排水トラップ自体にぬめりや汚れが溜まっていると悪臭を放つことがあります。
また、排水トラップがきちんと固定されておらず、水が貯まっていなかったり、破損して機能していなかったり、もともと排水トラップがついていなかったりする場合は本来せき止められるはずの下水の臭いがお風呂場に逆流してしまいます。お風呂場で硫黄のような臭いがする場合はこの排水トラップに異常がある可能性が高いといえます。
③排水管の汚れ
ヘアキャッチャーも排水トラップもきれいにしたのにまだ嫌な臭いがする。その場合は排水トラップの下の、排水管に汚れが蓄積されている可能性が。お風呂の使用年数が長いと、ヘアキャッチャーや排水トラップをきちんと掃除していても排水管に汚れ、ぬめりがこびりついてしまい、雑菌が繁殖して悪臭を放っていることがあります。
・なぜ排水溝が汚れるの?
ではなぜ排水溝が汚れてしまうのでしょうか。お風呂とは体についた汚れを落とす場所です。その汚れが排水溝に流れ込んでいる訳ですから、汚れてしまうのは当然とも言えますね。排水溝の汚れの原因は以下の4つ。
①皮脂や垢 フケ髪の毛や体の汚れを落とすときに出てくる老廃物で、溜まると排水溝のぬめりの原因になります。
②抜け毛やホコリなどのゴミ
お風呂場で一番目につきやすいものですね。体についたホコリや抜け毛はヘアキャッチャーに溜まったものをそのまま放っておくと腐敗して嫌な臭いの原因になります。
③石鹸カスやシャンプーの成分
小さな石鹸のカスやシャンプーのぬるぬるした成分が垢や皮脂と混ざり、排水溝をさらにぬめぬめとさせてしまいます。
④カビ
お風呂の温度と湿度、そして汚れはカビの大好物です。かび臭いニオイがしたら排水溝や排水溝カバーにカビが大量発生している可能性があります。
人の体から出たタンパク質汚れは雑菌の栄養分になりますし排水溝にこびりついて腐敗すると嫌な臭いを放ちます。お風呂は密閉された空間で、湿度も高いので雑菌やカビが繁殖するには最適な環境といえます。それゆえ嫌な臭いが出やすい場所でもあるのです。
・排水溝の掃除を怠るとどうなるの?
排水溝の掃除を怠ってそのまま放置していると、溜まった汚れの中でまた雑菌が大量に繁殖し、強い悪臭を放つようになります。また、こびりついた汚れや入り込んでしまった髪の毛などのゴミが溜まって水の流れが悪くなったり、最悪詰まって水が逆流し、脱衣所まで水浸しになってしまうことも。
お風呂の排水溝を掃除するために必要な洗剤は?
・汚れの原因を知って洗剤を選ぼう
先にあげたように、排水溝の汚れには様々な原因があります。その汚れの原因によって、使う洗剤も変わります。汚れには酸性の汚れとアルカリ性の汚れがあります。反対の性質の洗剤を使うことで中和させると汚れは落ちやすくなります。皮脂や垢、髪の毛、シャンプーなどは酸性の汚れ。水垢や石鹸カスはアルカリ性の汚れです。カビは菌なので除菌・漂白ができる洗剤を選ぶと良いでしょう。
・洗剤の特徴を知って汚れを落とそう
お風呂掃除によく使われている洗剤とその特徴を知っていると、より汚れが落ちやすくお掃除が簡単になります。
①中性洗剤
界面活性剤の効果で酸性の汚れもアルカリ性の汚れも浮き上がらせて除去します。市販のお風呂用洗剤は中性洗剤がほとんどです。頑固な汚れには不向きですが、軽い汚れには効果があります。よく泡立ち、作用が緩やかなので素材を傷める心配もありません。
②カビ取り剤
強力なアルカリ性を持つ塩素系漂白剤。頑固なカビを殺菌・除去します。使い方を誤ると素材を変色、劣化させてしまうことも。
③パイプクリーナー
カビ取りなどに使うアルカリ性の洗浄剤に近く、雑菌によるぬめりや臭いの原因になるこびりついた汚れを落とします。発泡タイプのものと粘りが強い液体タイプのものがあります。
排水溝の汚れは皮脂や髪の毛の酸性汚れ、石鹸カスなどのアルカリ性汚れ、雑菌やカビによるぬめりやヘドロといった様々な汚れが混在している状態ですので、ヘアキャッチャーや排水トラップなどの部品は中性洗剤、カビが生えている部分には除菌・漂白ができるカビ取り剤、排水管の髪の毛詰まり、ぬめりにはパイプクリーナーをそれぞれ使いわけて使用することをおススメします。
お風呂の排水口を掃除するために知っておきたい道具とは?
・便利なブラシを一挙公開!
キッチンや洗面所、お風呂の排水溝を掃除するためのブラシは今や100均などでも手軽に手に入れることができますが、今回は特にお風呂の排水溝を掃除するのに適したブラシをご紹介します。
①ピンセット付きブラシ
お風呂の排水溝は髪の毛などのゴミが溜まりやすい場所です。排水溝のカバーを開けて、目につくゴミをさっと取りたいけれど手でつまむのには抵抗がある・・・という方には細いブラシとピンセットが一緒になったものがおススメです。また、ブラシ自体がトングのような形をしているものも良いですね。
②ワイヤータイプのブラシ
細いワイヤーの先にブラシがついている、いわゆるワイヤーブラシは手の届かないパイプの奥まで入り込み、こすって汚れを落とすことができます。長さがあるものが多いので排水溝に直接手を入れることがないので衛生的です。
③360度植毛ブラシ
これはの周りにぐるっとブラシの毛がついたものです。手の角度を変えずに排水溝に差し込んでこするだけでしっかりと汚れを掻きだしてくれます。
この他にも、ブラシ部分に特殊な素材を使用していて洗剤を使わずにきれいに汚れを落としてくれるものなど、近頃は排水溝掃除に特化したブラシが沢山販売されています。排水溝の掃除をする前に一度ホームセンターなどで自分に合った使いやすいものを選んでおきましょう。
まとめ
排水溝の汚れを放っておくと、悪臭やつまりの原因になります。ヘドロまみれのイメージがあって排水溝を掃除するのに抵抗のある人は、余計にこまめに普段から掃除をして、汚れをため込まないようにしましょう。毎日お風呂上りにヘアキャッチャーに溜まった髪の毛やゴミ、石鹸カスを取るように心がけるだけでも、排水溝の汚れをかなり抑えることができます。
また、定期的に発泡タイプのカビ取り剤で排水溝カバーやヘアキャッチャー、排水トラップを除菌・洗浄し、液体のパイプクリーナーで排水管のぬめりを落としておくと排水溝周りの汚れや臭いを防ぐことができます。毎日のお風呂洗いに加えて、たまには排水溝のお掃除もプラスする習慣をつけることがお風呂場の清潔を保つためには大切なことです。