蜘蛛の巣を掃除するには取るだけではダメ!

 

 家の中や庭に蜘蛛の巣が張られていると不衛生なイメージ・・。
本来、巣は蜘蛛がエサを捕るとために張られているものです。ですが、見ていて決して気持ちのいいものではありませんよね。蜘蛛がいる、といことはそのエサとなる害虫がいるということが考えられます。基本的には外にいるはずの蜘蛛が、なぜ家の中に巣を作ってしまうのか、そしてその掃除方法をご紹介していきます。   

蜘蛛の巣を掃除する方法

・蜘蛛の巣はどんな時期にできるの?

 蜘蛛は冬の間、エサとなる昆虫がいないため蜘蛛も冬眠をします。冬眠というよりは、暖かい場所で寒さをしのいでいるようです。
そもそも蜘蛛の寿命は一年を少し超すほどで、長生きするものはごくわずかです。とくに家の中でよく見かけるアシダカグモやハエトリグモは家の中で冬を越すことが多いのですが、タンスの裏やテレビ台の裏など人の目につかない温かい所に隠れていることがほとんどです。
ほとんどの蜘蛛は、秋頃に産卵をします。特にアシダカグモは卵を産んだら自分のお腹でふ化するまで抱えています。冬の間に蜘蛛を見かけたら、卵を抱えていないか確認しましょう。そして、越冬や産卵を終えた後、4月ころから6月中旬のあたりに巣を張る活動を始めます。巣を作り始めると、払っても払っても同じところに巣を作るので、すぐに対策をする必要があります。  

・蜘蛛の種類は?

 蜘蛛の種類はとても多いのですが、実は家の中にいる蜘蛛はそんなに種類はありません。家に出る蜘蛛の種類や特性を知って、対策をしていきましょう。

①ハエトリグモ 
 家の中によくいる蜘蛛で、毒はありません。サイズは1㎝以下と小さく、くりくりとした大きな目が特徴的な蜘蛛です。ハエや小さな虫を食べます。「ジャンピングスパイダー」とも呼ばれ、ジャンプしながら移動し、巣は張りません。お尻から糸を出しますが、壁や天井からの落下防止のためのようです。

②アダンソンハエトリ
 こちらも家の中によくいる蜘蛛で、毒はありません。名前の通り、コバエを捕獲するのが上手で、一瞬で捕まえることができます。コバエ以外には、ダニやゴキブリの幼虫などを食べ、家の中の害虫を駆除してくれます。サイズは1㎝以下です。巣は張らず、家の中をちょこちょこと徘徊してエサを探して徘徊し続けています。

③チャスジハエトリ
 毒はなく、巣は作らないですが、常に糸を出しながら移動をしています。ハエを捕獲するのが得意です。サイズは1㎝前後で、太い脚に単眼で体の真ん中に白い線が入っていて特徴的です。巣は張りませんが、常に糸を利用して生活しています。

④アシダカグモ
 毒はなく、巣を張らずに家の中を徘徊して生息します。サイズは足まで含めると10㎝~13㎝と大きいので、家の中で遭遇すると驚く方も多いでしょう。ゴキブリなどの害虫を食べるため、アシダカグモを駆除したい場合は、家にいるゴキブリを駆除することが大切です。戸袋や天井裏、壁と家具のすき間などに昼間は隠れています。寿命はオスが3~5年、メスが5~7年程度で夏に2回卵を産みます。 

日本の家の中に出るクモの毒の有無について

・蜘蛛に毒はあるのか?

 日本の家の中にいる蜘蛛はほとんどが毒はありません。それどころか、ゴキブリやハエなどを駆除してくれる「益虫」と考える人も多くいます。
しかし、日本では毒のある蜘蛛も存在しています。「セアカゴケグモ」がその一つです。本来日本にはいなかった種類の蜘蛛ですが、1990年台に西日本で発見されて以来、日本全国に定着した外来種の蜘蛛です。胴体が丸く、中心に赤いひし形が縦に2つ並んだ模様が特徴的です。徘徊するダンゴムシやアリなどを主食とするので、庭などでもし見かけたら要注意です。 

・蜘蛛はなぜ家に入るの?

 蜘蛛が家の中に入ってしまう理由として考えられることを、いくつかご紹介します。

①家の周辺に蜘蛛やエサとなる昆虫の住める環境がある
家の周辺に、草むらや畑、材木、物置などがあると、蜘蛛や蜘蛛のエサとなる昆虫の住み家となってしまいます。庭も整理整頓を心掛け、雑草などもこまめに取り除くようにしましょう。

②家の窓や玄関が開いている
換気などのために、窓や玄関が開いていると蜘蛛が侵入してきてしまいます。
窓や玄関の開け閉めは必要最低限にとどめましょう。

③窓や玄関にすき間がある
窓や玄関がいくら閉まっていても、小さなすき間があれば蜘蛛は侵入できます。通風孔や窓に防虫網を取り付けたり、すき間をテープなどでふさぎましょう。もしすき間が埋められなければ、殺虫剤を吹きかけておくと蜘蛛が侵入しにくくなります。

④家の中に蜘蛛のエサとなる害虫がいる
蜘蛛がエサとする、ゴキブリやアリ、ハエがいると蜘蛛は集まってきます。家の中の整理整頓を心掛けましょう。ものが乱雑にある場所や、食べ物のカスやホコリが溜まっている場所には蜘蛛のエサとなる害虫が発生しやすいので、こまめに掃除をしましょう。食べ物は密閉できる容器に入れる、生ごみは密閉性の高いゴミ箱に入れることで害虫を予防しましょう。

蜘蛛の巣を掃除する方法

・蜘蛛が嫌がるスプレーをする

 簡単に蜘蛛の巣対策ができるのが、蜘蛛の巣を張らせないためのスプレーです。室内はもちろん、水にも強いため、室外の蜘蛛の巣対策にも使用できます。スプレーをするだけで、天井や壁・ベランダ・サッシ・外壁に蜘蛛の巣ができなくなります。
効果は1~2か月は続くので、継続して使用していくことが大切です。スプレーの種類は様々ですが、蜘蛛の巣を張らせない効果・蜘蛛を寄せ付けない成分や殺虫成分が含まれています。

蜘蛛が嫌がるスプレーも有効ですが、小さなお子さんペットのいるご家庭では何となく使うことに抵抗がある方もいると思います。そんな方はアロマを日常的に使ってみてはいかがでしょうか。 蜘蛛は柑橘系の臭いが苦手です。レモングラスやシダーウッドなどのアロマを、ディフューザーなどで噴霧すると効果が期待できます。できてしまった巣に効果はありませんが、蜘蛛の侵入経路のドアや枠組みにレモン等の皮をこすりつけると、蜘蛛は巣をはれません。  

・素人でもできる!便利な道具

①お手製のスプレーを作る
必要なのは、台所用洗剤とスプレーボトルのみ。スプレーボトルに水1リットルと台所洗剤小さじ1を入れてよく振るだけです。蜘蛛の巣にシュッとスプレーするだけで、蜘蛛がいなくなるか駆除できます。玄関周りなど、蜘蛛の巣ができてほしくない場所にあらかじめスプレーしておくことで、蜘蛛が巣を張る予防になります。

②「蜘蛛の巣バスター」を使う
手間のかかる蜘蛛の巣掃除を、簡単に素早く行うことができます。見た目はただの棒のようですが、釣り竿のように長く伸ばすことができ、先端が電動で回転するので、蜘蛛の巣をしっかりとからめとってくれます。軽量で、今まで手の届かなかった場所まで綺麗にスッキリ掃除できます。モップやブラシの先端に、使わなくなった布やネットを巻き付きて代用品を簡単に作ることもできるのでお勧めです。

まとめ

蜘蛛自体は人に害を及ぼすものではありません。むしろ、害虫をたべてくれる益虫とも言えますが、やはり家の中で蜘蛛や蜘蛛の巣を見かけると気持ちのいいものではありません。
蜘蛛の巣を掃除するためには、まず蜘蛛を駆除する必要があります。蜘蛛は、ハエやゴキブリなどの虫を好むので、それらの害虫を駆除して家の中に入れないことが一番の解決策と言えるでしょう。 蜘蛛や蜘蛛の巣を見かけたら、なるべく早めに対処した方がよいでしょう。 害虫対策をすることが一番の解決策とも言えますし、蜘蛛の発生予防にもなるので、衛生的な生活が送れるでしょう。